Twitter: API有料化、アルゴリズムOSS化、Blueの長文対応、凍結異議申立受付、2要素認証有料化、ブックマーク数表示、TwitterFiles17-21

centralized/Twitter
概要

2023-01-22に「報道: サードパーティー製Twitterアプリ禁止、日本でのTwitter Blue開始、ElonJet関係の凍結・他のSNSの誘導禁止→撤回、ツイート表示回数表示、 #TwitterFiles の5-16弾 | GNU social JP」でTwitterの動向を紹介しました。

他の作業で余裕がなく、時間が空いてしまいましたが、その後の1月下旬-3月の動向を紹介します。主な内容は以下となります。

概要
  • API: API有料化。4月末か5月から適用開始。無料プラン月1500POST、Twitterログイン。
  • アルゴリズム: おすすめ表示のアルゴリズムのOSS化。
  • Blue: 長文投稿対応。おすすめ表示、投票の有料化。
  • 機能: 凍結異議申立受付、2要素認証有料化、ブックマーク数表示。
  • TwitterFiles 17-21弾: メディア詐欺 (右派をロシアのボットと誤報)/メディアの破綻実験/世論操作用アカウントのブラックリスト作成/政府のパートナーとしての検閲/COVID-19ワクチン接種者の感染報告の隠蔽。

API有料化が特に大きな内容だと思います。

API
情報源

Twitter API有料化の話題が非常に影響の大きい話題でした。

2023-02-02の以下の投稿が有料化の最初の告知でした。

当初は2023-02-09から有料化が始まるとの予定でしたが、コードの修正、社内調整などで延期が重なり、最終的には2023-03-30の以下の投稿で正式な告知がありました。

API仕様は「Twitter Developers」にあります。発表日から次の30日間で、API有料化に伴い既存のv1.1 APIは使用不能になるそうです。次の30日というのがややこしいですが、おそらく4/30か5/1からの適用となると思います。

有料化の内容は以下のようです。

  • 適用日: 2023-04-30 (2023-05-01?)
  • Freeプラン: 書込専用、テスト用プラン。無料。1アプリID。Twitterログイン、月1500POSTが可能。
  • Basicプラン: 月100 USD。2アプリID。Twitterログイン、ユーザーレベルで月3000POST、アプリレベルで月5万POST、月1万GETが可能。
  • Enterpriseプラン: 詳細不明。

Twitterログイン機能は無料のままなので、Twitterログインなどのアカウント連携は問題なさそうです。

無料プランだとGETの読込ができず、投稿数も月1500となるため、用途次第ですがbotの運用は難しくなりそうです。

Enterpriseプランの詳細は不明ですが、「Twitterの新APIまさかの年間3億円超え – GIGAZINE」で以下のプランが告知されており、おそらくこれに準ずると推測されます。

プランSmall PackageMedium PackageLarge Package
RealTime PowerTrack API2万5000ルール5万ルール10万ルール
Full Archive Search API5万リクエスト10万リクエスト20万リクエスト
Account Activity API5000アカウント7500アカウント1万アカウント
Engagement API Totals Endpoint1分当たり20リクエスト1分当たり24リクエスト1分当たり60リクエスト
Engagement API 28HR Endpoint1分当たり20リクエスト1分当たり24リクエスト1分当たり60リクエスト
Engagement API Historical Endpoint1分当たり6リクエスト1分当たり12リクエスト1分当たり30リクエスト
価格月額4万2000ドル(約560万円)月額12万5000ドル(約1670万円)月額21万ドル(約2800万円)

なお、2-3月にかけてTwitterで障害が多数起こっておりますが、Twitter API有料化に伴うコード修正が原因だった可能性が高いようです。

有料ボットや学術研究用には無料APIの提供の話もありましたが、こちらの正式告知はまだでした。

Twitter API有料化に伴い、有名サービスのTwilog/favolog/Togetterの対応予定が表明されました。Twilog/favologは継続が難しそうで、Togetterはできるかぎり対応予定とのことです。

実際の適用まで1か月あるので緩和策やEnterpriseプランの詳細次第になるでしょう。

アルゴリズム
広告
おすすめ
アルゴリズム

API有料化の次にはアルゴリズムやりコメント機能のアルゴリズムのオープンソース化が大きな話題に感じました。

まず、1月時点ではタイムライン表示がデフォルトで「おすすめ」になっていたのが、前回表示タブになるように変わりました。2023-01-25にWebアプリで、2023-02-07にiOS/Androidアプリでも、以下の投稿で告知があり反映されました。

その他、2月初めから、Twitterのおすすめ表示のテストがあり、イーロン・マスクの投稿を優先的に表示するようになったりしていました。

1月からTwitterでの広告表示が多すぎるという不満があり、この改修がありました。その中で、2023-02-21の以下の投稿で最初にアルゴリズムのオープンソース化に言及しました。

その後、改めて2023-03-20にはTwitterのリコメンド機能のコードをオープンソース化すると告知があり、2023-04-01に以下の投稿で公開が告知されました。

軽く内容を見た私の感想は以下の通りです。

分散SNSにもライブラリーとして組み込めないかと考えていましたが、AI関係のライブラリーになっており、AIの学習データ前提で、理解も難しく、そのまま取り込むのは難しく感じました。ソフトウェアの構造などを参考にできるかどうかというレベルに感じました。

また、オープンソース化されたことで、おすすめとして表示されやすくするためのコツのようなものの分析も進んだようです。が、どちらかというと閲覧者にいかに再投稿させるか、バズを起こせるかの方が重要で、あまりハックしても意味なさそうな感じでした。

その他に、Elonを特別扱いするコードや、民主党支持者や共和党支持者を区別するコードなどが見つかりました。

これは過去にTwitterFilesで紹介した通りです。

Blue
情報源

1月に日本でも正式に始まったTwitter Blueの機能拡張がありました。

まず、最大4000文字の投稿が可能になりました。その他、返信表示順が優先されました。

2023-03-24からは全世界でBlueが利用可能になり、2023-04-01からは旧式の本人確認機能が終了して、以前の認証済みの青色チェックマークが削除されました。

2023-03-28には、「おすすめ」タブ表示と、投票機能への参加が、2023-04-15からBlueユーザーに限定されるとの告知がありました。

2023-03-30には企業や非営利団体向けの認証サービス「Verified Organizations」の提供を全世界で開始したとの告知が以下の投稿でありました。

Verified Organizations」が説明ページで、日本だと月13.5万円の料金でした。加入すると、金色の認証バッジがもらえ、所属アカウントにもTwitter Blueの機能が付与されるようです。

その他、一部の条件を満たした企業には無料で適用されるそうです。Blue for Businessとの関係が少々わかりにくい、団体向けの認証サービスでした。

障害
情報源

恒例行事になりつつありますが、Twitterでの障害が度々起こりました。Twitter API有料化のコード修正が原因と推測されています。

また、2月と3月の障害は「Misskey.ioへのユーザー殺到 | GNU social JP」で紹介したMisskey.ioやMastodonのユーザー殺到にもつながっていたようです。

機能
モデレーション
2要素認証
その他

機能面でいろいろ変更がありました。

まず、凍結基準を緩和し、2023-02-01から凍結時の異議申し立てが可能になりました。

アカウントのロックまたは凍結に関する異議申し立て」で凍結へ異議申し立てができるようです。以前、「報道: Twitter Blue再開/人員整理/大規模凍結解除/サービス変更/Twitterファイル | GNU social JP」でシャドウバンの確認方法を提供すると予告がありましたが、こちらはまだのようです。

従来は誰でも利用できたSMSでの2要素認証が、2023-03-20からTwitter Blue専用になると2023-02-15に「An update on two-factor authentication using SMS on Twitter」で告知がありました。悪用ボットのせいで年間80憶円の被害があったそうです。

一部の国で試験的に導入されていたCoTweet機能が2023-01-31に廃止 (CoTweets)。Tor版Twitterが証明書期限切れで停止。

ブックマーク数の表示が2023-03-17から表示されるようになりました。

TwitterFiles

Twitter社内部文書のTwitterFilesの17弾以降がありました。

2023-01-28に17弾 (Matt Taibbi15個目)。 メディア詐欺。右派のアカウントをロシアのボットと偽って批難するもの。

2023-02-19に18弾 (Matt Taibbi16弾)。メディアの破綻実験。ツイート削除に関するビッグニュースになるような2種類の報道をメディアが両方報道するか実験したが、片方は無視したそうです。

2023-03-03に19弾 (Matt Taibbi17弾)。Global Engagement Centerと国家が支援するブラックリスト。GECという国務省の組織が下請け業者の秘密リストに資金を提供して、ブラックリスト (国家による情報操作アカウント?) の作成を行った?というような内容でした。

2023-03-10に20弾 (Matt Taibbi18弾)。議会への声明 検閲産業複合体。政府にとってTwitterはパートナーに近い存在で、検閲を行ってきたそうです。

2023-03-18に21弾 (Matt Taibbi19弾)。COVID-19の大いなる虚偽の製造機、Stanford Virality Projectと実話の検閲。ワクチン接種者のCOVID-19感染の事実の報告を違反や偽情報とみなしていたそうです。

財務
情報源

元々経営状況がよくなく、大量の人員整理を行ってきた財務の情報が複数ありました。

主要広告主の半数以上が広告出稿を停止して広告収益が急落したり、家賃やAWSの費用の支払いの延滞などがあったようです。

当初は1月時点では18万人の加入でTwitter Blueでの収益がよくない見込みでしたが、12月のサービス開始後3か月で1100万ドルの売上があったそうです。Twitter Blueが全世界で利用可能になったことから、今後はさらに加入を期待できるようです。

その他、「報道: サードパーティー製Twitterアプリ禁止、日本でのTwitter Blue開始、ElonJet関係の凍結・他のSNSの誘導禁止→撤回、ツイート表示回数表示、 #TwitterFiles の5-16弾 | GNU social JP」でCEOの退任の意思を表明していたElon Muskでしたが、2023年の年末まではCEOを続投するとのことです。

人事
情報源

大規模の人員整理が完了してからも、細々と人員整理が継続していたようです。主に廃止機能の担当者などが中心だったようです。

アプリ
情報源

1月のサードパーティーアプリ禁止を受けた動きが若干ありました。

結論

Twitterの2023年1月から4月初めまでの続報でした。確認すべき内容が多く、まとめるのに疲れてしまい、後半やコメントが薄くなっています…

APIの有料化が特に大きな内容で、これの対応で障害も度々起こっていました。既存のボットやサービス類が軒並み廃止になる可能性のある対応で、これを受けて分散SNSへユーザーがまた殺到するかもしれません。

逆に、大きな変更が一旦落ち着く感じがするので、Twitterとしては障害が減って安定する気もします。悪質ボットが一掃されて快適・健全になるのか、不便さが勝るのか動向に注目です。

おすすめ機能のOSS化もインパクトはありますが、一般ユーザーにとってはあまり影響がなく、他のサービスでの流用も難しそうな感じで、思ったより影響はない印象を持ちました。

2-3月あたりからChatGPTや対話AIの話題が世間的にはホットで、それもあってややTwitterの話題が落ち着いた感があります。

Twitterの続報紹介は半日-1日かかるかなり労力のかかる作業なので、あまり貯めすぎずに紹介するように気をつけます。

Comments

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