取材: Eugen Rochkoが語る分散SNSの運営と成長

Mastodon/person
概要

Mastodon著者のEugen Rochkoに分散SNSの運営と成長に関する取材があったので紹介します。

私が認知できている範囲では2023-01-23の「取材: Mastodon著者Eugen RochkoのElon Muskへのメッセージ | GNU social JP」が最後の取材だったので、2か月振りの取材でした。

2023-03-28の以下の投稿で公開されていました。

Can Mastodon seize the moment from Twitter? – The Verge」が取材記事です。TwitterのMastodon公式アカウントが再投稿していて認知しました。

内容はMastodonの始まり、現在の運営体制、収益化、サーバー運営などで、文量が多く、やや踏み込んだ内容もありました。量が多いので特に気になった点を以下に示します。

注目点
  • 元々Twitterヘビーユーザー (Misskey著者しゅいろと同様)
  • 2021年にMastodonの法人設立
  • 意思決定の組織化モデルの構想
  • mastoson.socialの一般登録再開
  • 今後のMastodon本体への有料化機能の検討
  • 一般公開サーバーのたいへんさ
  • モデレーション自体は頻発せずそこまでたいへんではない
  • グループ機能が次の目玉機能

取材の英文を概要・抜粋で独自に解釈して翻訳したものを以下に掲載します。

体制

Q. Mastodonとは?

A. 2016年に取り組み始めたのは、Twitterのような重要なものを特定企業に委ねるべきではないと考えたから。当時はかなりのヘビーユーザーだった。10代だった2008年頃に使い始め、Twitterは人生の重要な部分だった。ただ、2016年頃にTwitterの会社としての運営、方向、コミュニティー、嫌がらせにうんざりしていて、別の方法を検討したのがきっかけだった。

Q. MastodonはOSSだが、そのCEOというのは実際には何のCEOになるのか?

A. 少しややこしいが、Mastodonを開発しているMastodonという名前の会社のCEO。2016年の大学生時代に開始。卒業後、当初は月額5 USDのPatreonを開始。その後、月額200、600 USDなどに増加。この時点で既に生活に十分だったのでフルタイムで取り組んだ。当初は個人事業主だった (日本でいう屋号がMastodonだったと思われる)。2021年にMastodonの別の法人を設立。時間を経て貢献者が増え、GitHubには700名以上が貢献してくれた。その他、委託業者など従業員もいる。

現在の体制。フルタイムの正社員 (開発者) としてCEOの自分自身と、Claire。契約ベースのパートナーにCFOと、採用担当者、フルタイム開発者としてさらに3名を採用活動中。委託業者として、iOSアプリ2名、Android1名の開発者。契約ベースパートナーにUXデザインエージェンシー (おそらく「Mastodon公式サイトのリニューアル | GNU social JP」で登場したOakというデザインスタジオ)。

整理すると現状の体制は以下の模様。

  • フルタイム開発者: Eugen Rochko/Claire
  • 契約ベース: CFO/採用担当
  • 業務委託: iOSアプリ開発者2名/Android開発者1名
  • 採用中: フルタイム開発者3名
  • 代理店: Oak

正社員2名、採用中3名、業務委託5名、代理店1社。

Q. 今後どう会社を運営していくか?

A. 11月以来かなりたいへんだった。今まではプロジェクトへのプレッシャーがはるかに低かった。2017年4月に「A beginner’s guide to Mastodon, the hot new open-source Twitter clone – The Verge」で取り上げられて、バズって普及した。今と比べると当時はかなり低いプレッシャーだった。今ははるかに高いプレッシャーがあり、自分一人で対応しきれないので、従事者を増やして委任していく必要がある。

11月以来、初めて採用を始めた。採用検討が社内全体の継続プロジェクトとなった。私一人から多くの人に拡大していくにあたって、優先的に確保が必要な重要な役割は何かの検討に時間を費やしている。

11月にはPatreonの寄付が月額7000 USDから3万 USDに増大した。予算は増えたが、それでも限られているので優先順位を考える必要がある。

考えた結果、24時間年中無休、運営と技術課題を解決に従事できないため、DevOps担当者が必要と判断した (サーバー運営者?)。加えて、自分以外にClaireと一緒に作業できる開発者。そして、プロダクトデザイナー。今までは自分でユーザビリティーやUXを考えてきたが、元々それに適切だったわけではない。Mastodonを最高の製品にするために、適切な設計担当者もほしい。

Q. 興味深いと思うので最初の話を伺いたい。2016年、2017年にMastodonが生まれて、Twitter買収後の2022年11月の時点で準備が整っていた。なぜ維持できた?このときを予測できたのか?

A. 予測はできなかったが、当時から遅かれ早かれ何かが起こるだろうと思っていた。SNSは流行り廃りがあります。MySpaceやApp.net、Google+Frindsterなどいろんな廃止したSNSがあった。Twitterもこうなる可能性はあると思っていた。正確な時期はわからないものの、廃止を意識して準備してきた。

統治

Q. Patreonでの収入以外の収入はあるか?

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