記事: Blueskyでの黒人差別騒動

protocol/ATP/Bluesky
概要

月報2023-09: Pebble (旧T2) 正式公開、Mastodon v4.2公開、Misskey.ioのドメインブロック、タイッツー炎上騒動 | GNU social JP」の月報などで後日紹介すると度々予告していたBlueskyでの黒人差別関係の騒動を紹介します。

以下の2点の騒動がありました。

Blueskyでの黒人コミュニティーの差別騒動

n-wordの騒動は「公式: Bluesky Socialの利用規約とコミュニティーガイドラインの改定予告 | GNU social JP」で予告されていたコミュニティーガイドライン変更直後の騒動です。

Bluesky’s growing pains strain its relationship with Black users

まず一連の差別関係の騒動の発端となる情報源の2023-06-09の「Bluesky’s growing pains strain its relationship with Black users | TechCrunch」の記事を紹介します。こちらの記事で、AvetaがBlueskyでの脅迫を告発しています。

5月の地獄のスレッドが発端です。元々はコーディングのバグ通知から始まりましたが、そこからサブスレッドが派生し、かなり長いスレッドになりました。その中で人種差別の話題がありました。

黒人Twitterの再現を目指して何百人もの黒人ユーザーをBlueskyに招待したソフトウェア技術者のAvetaが、スレッド内でR. Kellyのミームを止めるように返信しました。AvetaはBluesky上の黒人コミュニティーの牽引者で有名です (For Bluesky to thrive, it needs sex workers and Black Twitter | TechCrunch)。

5月にAvetaはAliceと拡大する黒人コミュニティーに関するAliceのコメントを巡り口論になりました。Aliceが複数の人種差別的な投稿を行い、その中に「英語圏の人口動態を反映した」場所に黒人ユーザーがいたくなければ、独自のスペース作成を歓迎するという内容がありました。

加えて、AliceはAvetaを高所から突き飛ばすことを示唆しました。Avetaは嫌がらせを恐れて返信を控えたが、Aliceの投稿は殺害の脅迫だと述べました。

他のユーザーがAliceのコメントが極端な暴力を禁止するBlueskyのポリシー違反だと通報しました。当初、BlueskyのモデレーションチームはAliceを禁止し得ちなかったが、Bluesky CEOのJay GraberがAliceのようなコメントを許可するポリシー変更を発表し、さらなる怒りを招きました。

上記の通り、その後Graberがチーム内で議論して、新しいポリシーでは直接・間接を問わず、脅迫行為はアカウント一時停止です。

ただ、連合が開始されると、他のサーバーに差別加害者は移行して再開できます。このことについて、加害者に連合形成・メッセージを広げる機会を与えるべきではないとの返信もありました。

Graberの新しいポリシーの翌日にカスタムアルゴリズム (公式: Blueskyでのカスタムフィードの提供開始 | GNU social JP) が発表されました。これを受けて、黒人Blueskyユーザーは展開のタイミングに疑問を感じました。Blackskyという黒人向けカスタムアルゴリズムを開発したRudy Fraserは、モデレーション議論への解決策としてのカスタムアルゴリズムは残念だと述べました。「あたかも新機能が根本的な問題を解決するかのように、問題を起こしたユーザーを単位禁止できないかのように」。当時はモデレーションツールが公開されたばかりで、バグなく機能するか不明でした。

分散SNSでは、全ユーザーに一元化されたコミュニティーガイドラインの適用が不能です。コミュニティー主導のアプローチは、よく言えば楽観的で、悪く言えば怠慢です。コミュニティーが自制可能になることで、逆に暴力的な憎悪の放置も可能です。

Blueskyの初期のモデレーションは様々な評価を受けました。4月にハンマーで殴るぞと返信したHannahは禁止されました。が、多くのユーザーがこの措置に抗議し、冗談だったと主張しました。数日後にトランスフォビアのコメントで嫌がらせをした別のアカウントを即座に禁止しました。

ハンマー禁止は、モデレーションポリシー変更を受けて再び表面化しました。なぜAvetaへの脅迫がHannahほど真剣に受け止められなかったのかの疑問が呈されました。Google Playの技術ディレクターのMekka OkerekeはHannahのコメントを比ゆ的で不適切としながら、黒人女性が主題だと人々は共感できないと指摘しました。

求人情報サイト「Black TechPipeline」設立者のPariss Athenaは、直接的な人種差別、トランスフォビア、反黒人性は「あいまいな境界線ではない」と指摘しました。

「奇妙なのは、Blueskyではすでにこうしたことが起こっているのに、黒人に関してはその動きがはるかに遅いように見えることです。」と続けました。

かつて、Blueskyはヘイトスピーチの容認を拒否していることを称賛したことがあるが、最近のモデレーションポリシーの変更後、黒人Blueskyユーザーにとって、実態に即していないこの決定は空虚に見えます。社会から疎外されたグループの保護の重視という点で、X/Twitterとは一線を画しています。ただ、最近の方針変更で、安全性を維持できるか億の人が疑問を残しています。

脅迫

上記の脅迫記事がベースになっています。それと関連して、TwitterからMastodonへの移行が失敗したとの批判記事があり、これと併せて黒人コミュニティーの分散SNSでの立場の言及があります。

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