マストドン日本語ウィキの終了

Mastodon/service

2022-04-30にマストドン日本語ウィキ (マストドン日本語wiki) がサービスを終了しました。少し前の報道ですが、2022年の出来事として重要に感じたので、記録のために紹介します。

概要

2022-05-01以降にサイトにアクセスすると、以下が表示されます。

サイト閉鎖後は、元データをCC-BY-NC-SAのライセンスで「GitHub – neetlab/mstdn.wiki-archives」で配布しています。

サイト閉鎖の理由は、管理人がメンテナンスコストを負担できなくなったからとのことでした。

マストドン日本語ウィキは日本でのMastodonブーム初期の2017-04-14に設立されたMediaWikiによるサービスでした (マストドン日本語ウィキ | Mastodon日本語Wiki Archive)。運営者はIGARASHI Ryo (Neetshin、新都心、https://mastodon.social/@neet) でした。設立当初は未成年のキッズだったと記憶しています。

サービス開始5年での終了になりました。

声明

マストドン日本語ウィキの主要執筆・編集者の嗤民から今回の終了について声明が発表されていたので記録として掲載します。

嗤民 (waratami@mastodon.social)’s status on Wednesday, 23-Nov-2022 14:01:52 JST嗤民嗤民

@neet 発表から遅くなりましたが、これまでのwiki運営誠にありがとうございました、おせわになりました
調査と編集に割ける時間が減って、多くの行いたかったことがNeetshinさんのプラットフォーム上でできなかったことは心残りですが、データを活用していつか再興できたらとも思います、その時がもしあったら、よろしくお願いします、またいずれ

嗤民 (waratami@mastodon.social)’s status on Wednesday, 23-Nov-2022 13:57:55 JST嗤民嗤民

みなさま、マストドン日本語ウィキは、まもなく(今月をもって)、5年の歴史に幕を下ろします
私の関わった記事を読んでくださった方など、これまでの厚恩に御礼をもうしあげます

嗤民 (waratami@mastodon.social)’s status on Wednesday, 23-Nov-2022 13:57:54 JST嗤民嗤民

一介の編集者として、保守更新でも、ままならない状態になってしまった私が言えることなんてないと思いますが、お世話になったのでトゥートしています。調査のためにダウンロードしたアプリが、常にスマートフォンの容量を圧迫した状態で、5年ほどを過ごしていました。新しいアプリケーションが開発されていないか、常にチェックしていました。しかし、編集するには、時間がなくなってしまいました

211の記事を立ちあげ、4000回余りの編集しました
neetshinさまには管理者権限をいただいて、いろいろな記事の充実に力を注ぎましたが、もう、3年も本格的な編集はできていませんでした
緩やかな衰退、記事の放置の流れの中に私もいました

はたして、マストドン、fediverseの歴史や、コンテンツをまとめることに、意義があったのか?皆目見当つきませんが、少しでも、役に立つことがあったと思います、役に立たなかったこともあるでしょう

嗤民 (waratami@mastodon.social)’s status on Wednesday, 23-Nov-2022 13:57:53 JST嗤民嗤民

本当だったら、技術的なことも勉強して記事にまとめたり、カテゴリもよりみやすいように分けたり、やっぱりサイト名を分散SNSウィキに改名したほうがよかったかもしれないの意見表明など、それから最新のアプリケーション情報など、いろいろな人が積極的に反映できるコミュニティ創りに、考えて、協力したかったのですが、力不足で、よいプランを考え、よい仕事をすることはできませんでした。編集はできますが、運営的なことには向いていなかったと思います

この数年で情勢は変わったり、停滞したりしていますが、fediverseのストリーミングは止まることなく今もあります、それが何よりもの幸運、幸福です

また、適当なタイミングで顔を出します。いつ何のためにかは、不明です

終了時点で900程の記事があり、そのうちの211記事がこの人の下で始まり、4000回も編集されたそうで、主要管理者と呼んでも差し支えないでしょう。

クライアントアプリの調査も行い、無償のボランティア活動としては、相当労力がかけられていたと思われます。

後継

元データが公開されていたことから、データを引き継いで公開しているサイトが現れました。

運営者とサイトは以下となります。

個人的には、HiSubwayのサイトのほうが使いやすく思って、よく参照しています。万が一、これらのサイトが閉鎖して参照できなくなるならば、私も引き継いで公開します。

また、これとは別に「Join the Fediverse」や「ホーム | Misskey Wiki」も分散SNS関係のWikiサイトとして存在します。

引継

サービス終了後、引継の動きがありましたので紹介します。

2022-08-10になうぞめが引継の意思を示して管理人に呼び掛けていました。

Neetshin (neet@mastodon.social)’s status on Wednesday, 23-Nov-2022 13:51:20 JSTNeetshinNeetshin

@nauzome
こんにちは。ご連絡いただきありがとうございます。

アナウンスにある通り、データは以前と同じライセンスでGitHubに公開されていて、別のウェブサイトでホストしたり転載することも許可しています。

「mstdn.wiki」のドメインは私が所有していますが、2023年4月15日に失効されるようですので、それ以降でしたらご登録いただけると思います。

私は管理人を辞していますし、公正を期すために特定の運営を正式に後継に指定するつもりはありませんので、ご了承ください。

🎃🎃🎃🎃 (nauzome@misskey.nauzome.com)’s status on Wednesday, 23-Nov-2022 13:51:51 JST🎃🎃🎃🎃🎃🎃🎃🎃

@neet@mastodon.social
丁寧な返信ありがとうございます。
よく読むべきでした。
ドメインを狙って内容を改変せずに配信しようと考えています。
あとtelegramはidを変えたのですか?。

元サイトのmstdn.wikiのドメインが2023-04-15に失効するので、その後に引継可能性を示しました。なお、個人情報が入っていたので、最初の投稿は引用しませんでした。

NCライセンス

その後、私gnusocialjpも2022-09-03と2022-09-11に問い合わせました。私は、元ライセンスのNCが嫌だったので、これを解除できないかの趣旨で連絡しました。その質疑は以下となります。

GNU social JP管理人 (gnusocialjp@gnusocial.jp)’s status on Sunday, 11-Sep-2022 12:31:53 JSTGNU social JP管理人GNU social JP管理人
@neet さんのTwitterアカウントは投稿が1年以上なされておらず、音信普通に見えたので、まずメールで問い合わせました。

問い合わせ内容は以下です。やましいことは一切ないので掲載します。この後、Twitterでもこちらのリンクを貼り付けてメンションします。

マストドン日本語wiki元管理人

五十嵐 涼 (neet@mastodon.social) さん

GNU social JP管理人と申します。先日、こちらの投稿でご連絡をさせていただいたところ、返事がなかったので、メールで再びご連絡させていただきました。

この投稿と内容はほぼ同じです。再掲します。

マストドン日本語wiki に質問があります。引継を検討していますが、元ライセンスのNCの利用制限が気になっています。そこで以下2点を確認させてください。

Q.1. 執筆者・著作者全員の連絡先は把握していますか?著作者全員から合意を取れれば、ライセンス変更は可能です。

Q.2. 元々の利用規約が今となっては不明ですが、neetさんがライセンス保有者で、ライセンス変更を検討可能であれば、教えていただきたいです。

メンテナンスコストを負担できなくなったことがサービス終了の理由として掲載されています。NCを外して広告掲載でもすれば継続できたのではないかと思っています。

また、サービス終了時に、ぐすくまさんやのえるさんなど、しかるべき有識者が引き継がなかったのは残念でした。

マストドン日本語wikiは、名前にマストドンがついていますが、日本における分散SNSのポータルサイトとして非常に重要な情報源だったと思っており、閉鎖は日本の分散SNSユーザーにとって大きな損失だと思っています。誰も引き継がないならば、自分がMediawikiで名前を分散SNS wikiなどに変えて、できればライセンスはCC-BYで引き継ぎを検討しています。

広告有無というよりかは、管理人は利用制限の存在が気になっています。素直に、Wikipediaと同じCC-BY SAでよくて、設立時にどういう意図があったのか把握してませんが、わざわざ利用制限のNCを加える必要はなかった思っています。Mastodonなどが採用しているAGPLも利用制限はありません。

CC-NCは、ソフトウェア自由原則第0の実行の自由の侵害相当であり、FSFやGNUプロジェクトの賛同者として、引き継ぐ場合無視できないのです。

ご回答お待ちしています。ご検討どうぞよろしくお願いします。
Neetshin (neet@mastodon.social)’s status on Sunday, 11-Sep-2022 13:28:37 JSTNeetshinNeetshin

@gnusocialjp はじめまして。先日のリプライにはお返事しそびれており申し訳ございません。メールより公開の場所で返信したほうがよいかと思うのでこちらでお答えさせていただきます。

Q1. 把握していません。マストドン日本語ウィキはアカウント登録をせずに編集できるようにしていたため、メールアドレスなどを明示せずに記事を公開することができました。

(1/2)

Neetshin (neet@mastodon.social)’s status on Sunday, 11-Sep-2022 13:28:52 JSTNeetshinNeetshin

@gnusocialjp Q2. 現時点では、検討していません。

開設当初は、マストドンブームを企業やまとめサイトに利用され、分散SNSの流れが沈滞することを懸念してNCを設定したと記憶しています。

恥ずかしながらNCにGNU social JP管理人様がおっしゃられているような懸念があることは存じ上げませんでした。

一方で、連絡先がわかっている記事の作者に私がライセンス変更の許可を取って回るというのも(そういった庶務に割く時間を作れなくなったために管理人を辞したのですから)現時点では難しいことをご理解いただければと思います。

あくまでGitHubに公開されている記事を従来どおりのCC BY-NC-SAで提供するということでご了承くださいませ。

また、管理人を辞している身として、公正を期すために特定の運営を正式に後継に指定するつもりはありませんのでご了承ください。

(2/2)

GNU social JP管理人 (gnusocialjp@gnusocial.jp)’s status on Sunday, 11-Sep-2022 13:34:59 JSTGNU social JP管理人GNU social JP管理人
@neet

ご回答ありがとうございました。

アカウント登録無しで編集できたのは知りませんでした。

多くは著作者不明で確認できないこと、それもあってNCライセンスを外せないことを了解しました。

確認できてよかったです。

この回答に対する管理人の見解は以下となります。

GNU social JP管理人 (gnusocialjp@gnusocial.jp)’s status on Sunday, 11-Sep-2022 13:43:18 JSTGNU social JP管理人GNU social JP管理人
「分散SNSの流れが沈滞することを懸念してNC」というのは、△だったと思いますが、ブーム当時は管理人いませんでしたから。自由にしたければ一から作るしかありません。

当分は自分のサイトの更新に励みます。

https://gnusocial.jp/notice/292588
GNU social JP管理人 (gnusocialjp@gnusocial.jp)’s status on Sunday, 11-Sep-2022 13:54:09 JSTGNU social JP管理人GNU social JP管理人
うーん…もったいない。もったいなさすぎる…

最初を間違えるとだめなんですよ…自由→不自由はできても、不自由→自由の逆はできないのです…不可逆なんです…取り返しがつきません…

MastodonにNCの制限があったらどうなっていましたかね…促進にはならなかったでしょう。
GNU social JP管理人 (gnusocialjp@gnusocial.jp)’s status on Sunday, 11-Sep-2022 14:01:59 JSTGNU social JP管理人GNU social JP管理人
NCさえなければ、Togetterのように、広告を掲載して、サイトの運営で生活しながら、半永久的に維持できたかもしれません。

自分で自分の首を締めて終了してしまったように見え、非常にもったいないです…。今となってはもうどうしようもなく、もどかしいです…

現状、CC NCの商用利用不可の条件があるせいで、寄付も受付不能できません。Neetshinは良かれと思ってつけたのかもしれませんが、普及させたいならば、余計な利用制限はNGでした。制限をかけて普及するということはありません。マイナス効果です。

ソフトウェアもMediaWikiを使っているのだから、中途半端に改変せずに世界的に成功を収めているWikipediaと同一条件のCC BY-SAか、それよりも緩いCC BYにすべきでした。

NCさえなければ、寄付や広告などで、多大な労力のかかる執筆者に報酬の形で報いることができました。NCがあるせいで、将来・未来永劫にわたってその可能性も自ら閉ざしてしまいました。実際、コスト負担が原因でのサービス終了ですので、自分の首を自分で絞めた自業自得の形になりました。ボランティアで多大な労力をかけられた嗤民や他の執筆者が不憫でなりません。

Wikiサイトは少数の編集が大部分のページをメンテナンスするため、これらのアクティブな編集者が何らかの形で報いられるような仕組みにしないと難しいと思います。私は、疎遠ですがWikipediaの日本語の管理人やWikipediaの元開発者と知り合いであり、このあたりのノウハウを必要であればきくことができました。

FSF準会員である私としては、不自由なものをこれ以上拡散したくありませんので、この回答を受けて引継辞退を決めました。引継辞退の代わりに、自分のサイトの充実に励みます。自分しか更新者がいないならば、完全に自由にできる個人サイトのほうが利点が大きいのです。

結論

マストドン日本語ウィキのサービス終了でした。

順番が前後しますが、2022年はマストドン日本語ウィキの他、「話題: 「マストドンつまみ食い日記」のメイン著者松尾公也のITmediaの退職 | GNU social JP」、「速報: 「マストドン検索ポータル」の終了 | GNU social JP」、「#InstanceTicker のサービス終了 | GNU social JP」があり、老舗サービスが立て続けに終了した年でもありました。

ただ、2022-10-28のイーロン・マスクのTwitter買収を受けて、2017年4月のブーム初期と同じかそれ以上のブームが巻き起こっています。この買収劇がもう少し早ければ、これらのサービスの終了も逃れたのではないかと、少々残念です。

私としては非常に惜しい出来事でした。過ぎたことはしかたありません。自分が制御可能な範囲で最善を尽くしていきます。

コメント

  1. […] 先日「マストドン日本語ウィキの終了 」を紹介しました。Twitter買収騒動後の大量移入時に新しいWikiサイトが始まったので紹介します。 […]

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