語彙に依存しない新しいActivityPub実装Vocata

Protocol/ActivityPub
概要

The roundup – episode 18 – The Fediverse Report」で、Vocataという新しいActivityPub実装のVocataが紹介されていたので、記録目的で紹介します。

Vocata/vocata: Vocabulary-Agnostic Transport Agent – vocata – Codeberg.org」がリポジトリ―で、第一コミットは2023-04-10でした。最近始まったプロジェクトのようです。Pythonで実装されています。

内容

サーバーとクライアントを分離して、コンテンツタイプにとらわれない点が他の実装と異なるようです。つまり、処理できるコンテンツの種類や、ユーザーへの表示方法が制限されません。

メールはメールデータの配信サーバーのMTA (Mail Transport Agent) とメールクライアントのMUA (Mail User Agent) に分かれています。通常のActivityPub実装だとMTAとMUAが一体化しています。これのMTA相当がVocataになるようです。

例えば、Mastodonはミニブログプラットフォーム、Pixelfedは写真コミュニティープラットフォームで、同じActivityPubなのである程度の相互運用が可能です。しかし、マイクロブログ型とギャラリースタイルとで、表現・表示の組み込みの概念が違います。

例えば、Plexeldでの表示方法を試すには、Pixelfedのアカウントで表示するしかありません。また、PleromaなどMastodon互換APIを採用しているサーバーはあるものの、基本的にクライアントはサーバー実装と1対1になっていて、クライアントの相互運用性は制限されています。

VocataはActivityPubサーバーを実装するだけで、クライアントがIDを使用して分散SNS上でのコンテンツの送受信インターフェイスを提供します。Vocataのアカウントを使うことで、選んだIDで好きなクライアントで動作可能になるようです。

結論

フロントの存在しないActivityPub実装としてGoToSocialがありますが、こちらをアカウントの観点でさらに汎用化させたような実装になるようです。

できたばかりで、実際のサーバーがまだないようで、少々どういうものか理解できませんでした。開発が始まったばかりのようなので、今後の動向に期待します。

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