過去にサイトでも「速報: イギリス新首相リズ・トラスの就任 | GNU social JP」で紹介した英首相のリズ・トラス (Liz Truss) が、就任わずか45日での辞任を表明し話題だったので紹介します。
イギリス首相のLiz Trussが2022-10-20に辞任を表明しました。首相就任わずか45日での表明であり、在任期間はイギリス史上最短の見通しです。辞任を受けて、28日に党首選挙を行う予定とのことです。
「経済政策で混乱…英トラス政権の支持率7%まで低下 辞任論高まる」にある通り、2022-10-17には政権発足からわずか1か月で支持率がわずか7 %と記録的な低さとなっており、辞任論が高まっている中での発表でした。
支持率低下・辞任の背景となっているのは、就任前から掲げていた減税政策の失敗が原因のようです。エネルギー価格高騰やインフレに国民が苦しむ中、その対策として大型減税政策を実施しました。しかし、歴史的なポンド安など経済混乱を招き、わずか3週間でほぼすべてを撤回しました。
減税政策の柱の一つは「法人税率引き上げ凍結」など企業や富裕層を意識した内容でした。これは、格差拡大につながるため、アメリカ首相のバイデンの反対意見や、IMFが再考を求める指摘をしていました。結果的に、財源の不明確な減税策は市場の不信感を招き、イギリス国債やポンドが下落しました。さらに、イギリス中央銀行はインフレ対策で金融引き締めを続ける中、金融緩和につながる長期国債の買い支えを実施せざるを得ないなど、迷走していました。
今回の辞任はトラスのみの責任ではありません。当選前から減税を掲げており、それを支持した党員にも問題がありました。物価高に苦しむ一般党員が目の前の「減税」の響きに引かれたのはやむを得ない面があります。ただし、財源を明確に説明せず、経済成長で借金を返済できるという回答をしており、これに対する野党からの「無責任」という批判・懸念が的中した形になりました。
インフレへの対策としてのやりとりが以下にあったので引用します。
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