月報2023-01: 事業開始、Twitterアプリ廃止に伴う大量の新規アプリ、Mastodon求人、fedibird.com公開登録一時停止、デモ騒動

gnusocial.jp vs. Misskey.io
概要

2023年1月もサイトを毎日更新できました。当初はこんなに毎日更新できると思っていませんでしたが、継続できそうな感じがしました。日々紹介しているSNSの1か月の主要な動向をざっと確認できると便利に思ったので、月報を始めることにしました。

12か月分の月報で、「告知: 2023年の開始 | GNU social JP」のような年報を書く際の役にも立てたいと考えています。

翌月の最初の土日に前月の主要な出来事を紹介するイメージです。

私のサイトを毎日確認するのは手間だけど、月間の主要な動向を確認したい人向けの、時間を節約するための投稿です。毎日確認している人にとっては、目新しいことは特にありません。

特に重要な話題は以下に思いました。

重要話題
  • Twitterサードパーティーアプリ禁止
  • Mastodon求人募集
  • fedibird.com公開登録一時停止
  • [#fedibirdはトランス差別している人をBANしてください] ハッシュタグデモ

以下のテーマ別に紹介します。

  • gnusocial.jp
  • general
  • Twitter
  • client
  • security
  • Mastodon
  • Misskey
gnusocial.jp
投稿

サイト開始初の年越しということで、年報を年初に掲載しました。2022-07-15開始なので、半年以内の内容でしたが、盛沢山の内容でした。

月初には「告知: Misskey.ioからのドメインブロック | GNU social JP」一悶着あったMisskey.io管理人から、引用の削除要請がありました。1/31の期限で、法的措置も検討するとのことでした。期限を超過して対応しなかったので、もしかしたら具体的な行動があるかもしれません。こちらとしては身の潔白を証明するいい機会です。

2022-07-15に開始した*.gnusocial.jpのサイトが今月で半年になります。これを受けて、GNU socialの開発資金収集のための事業を開始しました。

仕事をしながらだと、サイト更新が手一杯で、GNU socialの開発には手を付ける余裕が一切ありません。自分で収入を確保する手段を用意して、運営・開発で自立する必要が絶対に必要です。これができないならば、ゲームオーバーです。逆に、これができればすべてうまくいきます。GNU socialをMastodon以上の素晴らしいソフトウェアにすることだって可能です。

手始めに、電気通信事業の届出を提出して、Google AdSense広告を設置しました。広告やアフィリエイトの収益は知れています。本命は自社商品です。が、こちらは仕組みの検討・構築に時間がかかるため、自社商品がうまくいくまでのつなぎです。

WordPressの有料記事販売を考えています。2月に決済方法・プラグインなどを検討して、3月開始目標です。この月報も2月分からは有料記事化を検討しています。

情報のアーカイブとして、どこかで一般公開はしたいと思っていますので、値段は1000円くらいで、半年経過後に一般公開など、そんなことを考えています。サイトの支援者・カスタマーは2023年は最大で50人の見積もりです。あまり低額だと有料にする意味がなく、これくらいの顧客でうまくやっていこうとすると、これくらいの金額にしないと維持不能という見込みです。

その他、Social Citerという記事作成時の投稿引用のための自社サービスを公開しました。利用者は私だけですが、これを作ったことで記事作成・引用作業が大幅に楽になりました。

ただ、デモ騒動のように、大量の投稿を整理する際は、コピペの並び替えが大変なので、Togetterのようなサービスでドラッグドロップで並び変えたいなと思いました。余力があれば、こういうサービスもどこかで作ってみたいと思いました。

general
投稿

SNS関係のAdvent Calendar 2022の100以上の記事から特に有益だと感じた31選を紹介しました。暇なときに眺めると、何か発見があるかもしれません。

その他に、昨年11月頃から政治的な話題のColabo問題を紹介しました。日本におけるGamerGate事件になりえる根深い大きな問題です。渦中の暇空茜のTwitterアカウントをフォローして動向を観察しています。サイトで紹介できるようなものではないですが、毎日なんらかの話題があって、話題の尽きないテーマです。例えば、ガーシーが取り上げるなど、どこかでまたSNSにつながる気がしますので、観察を継続します。

SNS関係では、保守系SNS Parlerの買収中止・大量解雇、TikTokの公用禁止、YouTubeショートの収益化開始などがありました。Twitter買収を受けて、SNS戦国時代に入っており、各陣営にも動きがあります。Parlerは脱Twitterの先駆け的なサービスだったように思いますが、なかなかうまくいかなかったのかもしれません。一方、世界的に人気のTikTokはアメリカでは排除の包囲網が着実に進んでいて、政府での利用禁止、YouTubeショートの収益化など、今後のTikTokの先行きはやや暗く感じます。

TikTokの背後に中国政府が控えているという懸念がありますが、日本では政府でも活用するなど、日米中の温度差を感じます。アメリカの動向を受けて、日本でもTikTok排除の動きがあるかもしれませんので、注意します。

Twitter
投稿

2022年10月末にイーロン・マスクがTwitterを買収してから、日々目まぐるしい状況が続いています。

1月は待望の日本でのTwitter Blue開始やサードパーティー製Twitterアプリの禁止が特に大きな話題でした。また整理できていませんが、2月に入ってTwitter APIの有料化、YouTuberのようなユーザーへの収益還元なども告知されています。

また、あまり追跡できている人はいないと思いますが、Twitterの内部文書の暴露である #TwitterFilesが5-16弾と大量に公開されました。Twitterへの、政府機関や広告主の新型コロナウイルス感染症ワクチン製造元のファイザーによる圧力が続々と明らかになっていきました。

収益源を広告に依存する以上、広告主の干渉を受け入れざるを得ず、政治的な検閲・偏向報道の蔓延する、自由な言論とはかけ離れたプラットフォームになっていました。

Twitter Blueやサードパーティーアプリ締め出しは、脱広告を目指すための施策で、多くの既存ユーザーからの反発があったとしても、私としては言論自由の確保のための正しい方向に進んでいるように感じています。

分散SNSにも取り込める部分があると思いますので、継続して観察します。

client
投稿

クライアントアプリに関する報道が多い月でした。

まず、分散SNS上で最高のMastodon Webクライアントとも評されることのあるSoapbox v3.0が公開されました。歴代最大の更新で、今後も主要な人気Webクライアントの一つになるでしょう。

一方で、老舗のPinaforeは開発を停止しました。開発者のモチベーションや、流行り廃りの激しいフロントエンド開発で、レガシーとなってしまった技術の継承者の不足などが原因でした。

10月末のイーロン・マスクのTwitter買収を受け、Twitterに不信を持って分散SNSに移入してきた大量のユーザーの中に、TwitterクライアントアプリやWeb技術者も多数いたようで、移入後に開発着手されたアプリの成果の公開が殺到しました。

WebクライアントElkとiOSクライアントのIvory/Ice Cubesです。1月のTwitterクライアントアプリ禁止、API有料化を受けて、今後もTwitterのアプリやサービス開発者の分散SNS移入が想定されます。

既に現時点でも十分な数のクライアントがありますが、Mastodonクライアント戦国時代突入になりそうです。

あまり余裕はありませんが、特におすすめのアプリや機能比較表などをどこかのタイミングで紹介したいところです。

GNU socialとしては、自分でクライアントアプリを開発するよりも、Friendicaのように本体にMastodon APIをプラグインで対応させた方が手っ取り早いので、優先課題に考えています。

security
投稿

セキュリティー・保安に関する事項として、misskey.cfとMastodon公式サイト・サーバーへのサイバー攻撃の報告がありました。

また、この報告で、Mastodonのインフラ構成が、CDN=Fastly+Host=Hetznerというのもわかりました。

分散SNSにユーザーが増えることで、悪者も紛れ込むので、保安対策はますます重要になってくるでしょう。

告知: gnusocial.jpへのDoS攻撃とweb.gnusocial.jpの分散SNS参加 | GNU social JP」で報告した通り、gnusocial.jpも攻撃を受けており、対策ができていないため、公開登録は停止状態で、招待制のままです。

SMS認証など、悪者を特定できる形の認証方式の導入など検討したいと思っています。が、知識のない分野で、時間のかかる作業で後回しになっています。

Mastodon
投稿

Mastodon関係ではまずMastodon著者のEugen Rochkoの取材が2件ありました。ユーザーの大量増加に伴い、寄付も大幅に増加したことを受け、年収1000万円程度で新規開発者の求人を開始しました。お金の力を思い知らされます。2件目の取材は動画になっており、肉声を聞くこともできました。

有名サービスのMediumのMastodonサーバーme.dmの営利企業の分散SNS新規参入がありました。

Mastodonでの検索機能は賛否が分かれており、2022年には検索サービスの廃止 (告知: 2023年の開始 | GNU social JP) が続きました。その中で、Searchtodonという、自分のホームタイムラインで過去に見た内容を検索することを目的とした、プライバシーに配慮した検索サービスの実験がありました。サービス自体は実現可能ですが、見知らぬユーザーに自身のデータを託せるかという信頼関係の部分で課題があるようでした。エゴサーチや新しいユーザーのフォローで、検索機能は多くのユーザーからのニーズもあり、新しい検索サービスが待ち望まれています。

そして、月末から2月初めにかけて、大きめの騒動が2件ありました。

1件目は、日本の主要なMastodonサーバーのfedibird.comが公開登録を一時停止しました。以前から、新規ユーザーはmstdn.jpなどの既存のメガサーバーに殺到する傾向があり、Mastodon公式サイトjoinmastodon.orgがその一極集中を助長しているという議論がありました。これを受けてなのか、fedibird.comが2/1に公開登録を一時停止し、招待登録のみになりました。メガサーバーの一極集中が続くと、権威もメガサーバーに集中することになり、ドメインブロックなど周りのサーバーもメガサーバーの動向に伺いを立てざるを得ない、新設サーバーにユーザーが集まらないなど、分散SNSとはかけ離れていくという点などが懸念でした。

2件目は、日本の分散SNSでは初と思われるハッシュタグデモ騒動です。LGBT関係のユーザーが、ルールとして反差別を掲げているfedibird.comに差別者がいるとして、ルール順守を求めた [#fedibirdはトランス差別している人をBANしてください] のハッシュタグデモが展開されました。海外やTwitterではこのようなやや政治的なハッシュタグデモは見慣れたものでしたが、これまで日本の分散SNSはこのような運動はなかったので、大きな騒動になりました。ユーザーの大量増加に伴い、これまで認知できなかった少数派が認知できるレベルまで増加したことを受けての事件だったように思います。今後、このような騒動の増加が予測されるので、動向に注意が必要です。

Misskey
投稿

月初にMisskey著者のsyuiloがgihyo.jpでの連載を予告していました。しかし、まだ連載は開始していません。記事を書き溜めているところなのかもしれません。

Misskey v13が公開されました。その後、すぐにバージョンアップがなされていて、現在はv13.3.4となっています。コミットログなどを見る限り、かなり細かい単位でバージョン番号を振っているようです。

また、2022年に未成年関係の騒動 (速報: 分散SNSでの未成年淫行逮捕の噂 | GNU social JP速報: ユーザー数3位の大型Misskeyサーバーlesbian.energyの閉鎖→撤回 | GNU social JP) の舞台となったlesbian.energyの続報がありました。結局、キッズをフィルターで追い出して、現在は過疎状態になっているようです。

結論

2023-01の状況でした。月末にかけて、話題・報道 (LINEブログ廃止、LGBT関係の海外の炎上騒動、Bondee、damusの新SNSなど) が殺到して一部取り扱いきれていません。2月に取り上げます。

Twitterサードパーティーアプリ禁止と新規クライアントアプリ、月末のハッシュタグデモが特に印象的な話題でした。

結局、Twitter絡みの影響を大きく受けている状態が続いています。特にハッシュタグデモは、日本の分散SNSの一種のターニングポイントにもなりえる重要騒動だったように感じます。今後、LGBT・差別関係で同様の騒動があった場合に、対応の参考になる重要資料で、何度も引用する気がします。

現段階でわかっている情報では、2月は以下に注目です。

  • Twitter APIの有料化
  • syuiloのgihyo.jpでの連載開始

その他、2月末でウクライナとロシアの抗争が1年になりますので、この抗争の解説記事をできれば投稿したいと考えています。

後は、サイトで有料記事を販売できるように、WordPressでのプラグインなどの検討を行います。うまくまとまれば、その紹介も検討します。

Comments

  1. This Article was mentioned on web.gnusocial.jp

  2. This Article was mentioned on web.gnusocial.jp

  3. This Article was mentioned on web.gnusocial.jp

  4. This Article was mentioned on web.gnusocial.jp

Copied title and URL