概要
2022-09-05にイギリスで保守党党首選挙の最終結果の発表があり、対立候補のリシ・スーナク前財務相を破り、現職のポリス・ジョンソンに代わって、外相のリズ・トラス (女性) が党首に決まりました。イギリスは保守党が与党のため、新首相でもあります。2022-09-06にエリザベス女王から首相に任命されました。
2016年のアメリカの大統領選挙でのドナルド・トランプの勝利程ではないにしても、世界に影響のある速報に感じたため、取り上げます (情報源: トラス英外相、イギリスの新首相に 保守党の党首選で勝利 – BBCニュース、トラス氏、どんな人? 「意識高い系」に反対、過去に不倫疑惑も | 毎日新聞)。
選挙
党首選の結果は以下の通りでした。
- 投票率: 82.6 %
- トラス: 8万1326票
- スーナク: 6万399票
イギリスでは、ジョンソン首相の行動にさまざまな批判がありました。例えば、新型コロナウイルス対策のロックダウン中での首相官邸でのパーティー開催、議会をミスリードする発言などです。これを受けて、多数の閣僚や与党関係者が抗議辞任し、ジョンソン自身も7月初めに党首を辞任しました。これにより、党首選・首相選が行われていました。
人物
新首相のトラスの基本的な政策・方針は以下のようでした。
- 対ロシア: 強硬姿勢。
- インフレ対策としての減税
- 長期的なエネルギー供給問題対策
リズ・トラスの経歴で異色なのは、左翼育ちの右翼なところです。
1975年に数学教授の父と看護師の母の元、オックスフォードで生まれます。幼いころにスコットランドに引っ越し、左翼の両親の元リベラルとして育ちます。オックスフォード大学に進学し、哲学・政治・経済のコースを専攻。様々な活動や政治運動に参加し、大学の自由民主党サークルの代表になりました。
しかし、「個人の自由と自己決定権」ならびに自由市場主義を支持するトラスは、大学卒業前に支持政党を自民党から保守党に切り替えます (左→右への転換)。この転換理由について、本人は多くを語っていません。大学で保守党員の友人に影響を受けたといわれています (育ちは「左翼」、過去に王室廃止論も 英次期首相、保守党で異色:時事ドットコム)。
欧米ではLGBTの話題は敏感な内容ですが、トラスは同性婚には賛成し、LGBTの権利に反対票を投じることはないものの、メディカルチェック (生物的性別) は重要と述べ、性自認の容認には反対しています (リズ・トラス – Wikipedia)。
結論
イギリスの新首相のリズ・トラスの決定の速報でした。
「話題: 欧米のFOSSコミュニティーの政治的対立の経緯 | GNU social JP」の記事の作成後、特に欧米の左派と右派の政治情勢の意識が管理人の中で高まっており、ドナルド・トランプのときのように重要な変化になる可能性があったので取り上げました。
イギリスの与党が保守党なこと、新首相が左翼出身の右翼ということで、今まで気にしていなかったことの意味が分かり、興味深かったです。
同じ与党内の代表交代のため、これまでと方針に大きな違いはありませんが、日本では珍しい女性首相なことと異色の経歴ということで、今度の動向を見届けたいと思います。
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